まとめのーと

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IT "それ"が見えたら、終わり。 あらすじとリメイクの評価

IT "それ"が見えたら、終わり。

総合:84点

怖さ:☆☆★★★

物語・描写:☆☆☆★★

キャスト・演技:☆☆☆★★

音楽・演出:☆☆☆★★

謎解き:☆★★★★

青春:☆☆☆☆★

トラウマ要素:ピエロ、ビックリ、切ったり刺したりの痛い系シーン

 

【ストーリー】

 

とある田舎町デリーでは児童失踪事件が多発していた。

吃音の少年ビルの弟ジョージーは、大雨の日に事件に巻き込まれ、行方不明となっていた。事件から8ヶ月が経過するが、ビルはきっとまだジョージーは生きていると信じて搜索を続けていた。ジョージーの搜索は「負け犬クラブ」という、ビルと友人を含めた4人のグループで行なっていた。

ある日、下水道で搜索を行なっていたビルたちは、ジョージーと同じく行方不明の少女ベティの靴を発見する。ビルたちがさらに奥を調べようとするちょうどその時、少年ベンがいじめられっ子に追われながらビルたちの元へやってきた。ビルたちは搜索を中断してベンが腹部に受けた傷の手当を行い、「負け犬クラブ」は新しい仲間を迎え入れた。

その後、さらにべバリーとマイクの二人を加えて7人となった「負け犬クラブ」は、一連の失踪事件の鍵を握る謎のピエロ「イット」の棲み家へと向かう。

 

 

 

 【レビュー】

青春モンスターパニック映画。

 

 

90年に公開され、ピエロをメジャーホラーキャラクターに仕立て上げたスティーブン・キングの傑作「イット」のリメイクとして、非常に話題になったこの作品。

 

ただ、最初に注意しておかなくてはならない点が一つ。今回のイットはおそらく第1章で、そのうち出るだろう第二章と合わせて話を完結させるものだということ。

原作では、ビルたちが少年少女時代の話と、彼らが大人になった時の話の二つが平行して進む構造の3時間映画だが、今回のリメイクは少年少女時代の話のみを取り上げた2時間ちょっとの映画なのである。

正直知らずに見ていたのでちょっと驚きました笑

 

で、肝心の映画の内容は、青春感のある「モンスターパニック映画」であり、原作の不気味なオカルト感は一切ありませんでした。

大幅にモデルチェンジしたピエロを見て感じた通り、ビックリシーンがちょこちょこあるだけで全然怖くない。全世界にトラウマを植えつけたペニーワイズは、キラキラ輝く瞳と大きく尖った二本の前歯がハムスターとかウサギみたいで、なんならちょっと可愛いく思えるような外見に変わってしまっている。

以前のピエロはどこにでもいそうないでたちで、何を考えているのか分からない表情と不気味な奇術で観るものを怖がらせた。しかし今回のピエロはいかにも悪そうな姿で、子供を食うことで頭をいっぱいにした、ただのクリーチャーとなってしまっている。

音楽や絵画の怪物とかも安っぽいホラーゲームのようで、クオリティの高いB級ホラーになってしまったような印象。

 

という感じで、ホラー要素に関しては予想通りにがっかりさせられたのですが、青春要素に関しては原作以上によくできていたと思った。そもそも半分のストーリーを三分の二の尺で作り直した作品なので、それぞれの登場人物をたっぷり時間使って丁寧に描写できていたと思う。映像のクオリティもかなり高く、キラキラと輝く少年少女たちの、どこか懐かしい冒険物語を非常に上手く表現している。原作よりスタンド・バイ・ミー感が強くなったかな。

27年前の原作と比べたらクオリティは格段に上がっているし、統一された時間軸で話が進むので非常に観やすい作品だと思います。

 

そんな感じで、ピエロの怖さを十分に引き出せてはいなかったものの、青春モンスターパニック映画としてはクオリティの高い作品でした。

続編の雰囲気もおよそ見当がつきますが、どんなラストにするのか気になるので観てみようと思います。きっとロードオブザリングみたいな、めちゃめちゃ壮大な感じになるんじゃないかなぁー笑 

 

 

【似てると思った映画】

 スタンド・バイ・ミー

 

 

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