ザ・ヴォイド 変異世界 思ったより「普通」
ザ・ヴォイド 変異世界
総合:79点
怖さ:☆☆★★★
物語・描写:☆☆★★★
キャスト・演技:☆☆★★★
音楽・演出:☆☆☆★★
謎解き:☆★★★★
クリーチャーデザイン:☆☆☆☆★
トラウマ要素:クリーチャーの出産、痛い系含めたグロ多め
【ストーリー】
パトロール中、一人の重傷の男を見つける警官ダニエル。最寄りの病院は移転中で十分な設備があるとは言えなかったが、重傷の男を長時間待たせるわけにはいかず、ダニエルは急いで男を搬送する。
最寄りの病院には妻を含む数人の看護師・医者と、数人の患者がいた。無事男を搬送し終えたダニエルは、院内を歩き回るうちにうめき声を耳にする。声のする病室に入ると、そこには患者をメスで刺し殺す女の姿が。命令を聞かずに近づいてくる女をダニエルは撃ち殺してしまう。
ダニエルは警察署と連絡を取り、応援を要請しようと無線機のあるパトカーへ向かう。しかし無線は一切繋がらず、謎の白装束集団が病院の周囲を取り囲んでいることに気がつく。白装束の集団は三角のマークを頭につけており、ダニエルに近づくとナイフで襲いかかってきた。
急いで院内に逃げ込むダニエルであったが、院内でも悲鳴が上がる。駆けつけたダニエルが見たものは、射殺したはずの女と彼女に殺されたはずの患者が醜く変わり果て、別の患者へと襲いかかる姿であった。
【レビュー】
…てんこ盛り。
クリーチャー、カルト、グロ描写。その他、とにかく色々やってみた感の強い作品。
正直ストーリーなんていうものはあまりなく、一通りの状況の説明が終わったら次々に大変なことが起こっていき、ブッとんだラストも特に説明はない。
良い面でいうと、退屈しないし、観ててまぁまぁ面白い。
映像も綺麗で、特にクリーチャーのデザインはなかなか良くできているし、終始ヤバイ感は伝わってくる。インパクトあるシーンも多めだし、見応えはある映画!
調べてみるとクラウド・ファンディングで資金を集めたというのだから、それでこれだけのクオリティの映像が作れているのは凄い…!
ただ、カルト要素の説明があまりに不足しすぎでは?と。
どこから発生したどんなカルト集団で、何をしてて、ヴォイドとはなんなのか。
そのあたりの説明がないと、ただイかれた天才が宗教作って暴走してるってだけの「普通」の作品になってしまう。
せっかくいろんな要素が入ってるんだから、もう少しずつでも説明・深掘り描写を加えて「他にはない映画」にしてほしかった。
いっそ呪詛とかさらに他の要素を取り入れたり、もっといろんな種類のクリーチャー登場させたりしたら面白いかなぁなんて思ったけど、クリーチャー増やしたらバイオとかサイレントヒルっぽくなるだけのような。
【似てると思った映画】
【ネタバレレビュー】
なんで中途半端に登場人物助けたんだろう。
全員殺されるか、洗脳されてカルト入りするかになっちゃうバッドエンドの方がまだ締まる気がした。
でも続編が作られて、世界を侵略するカルトをヴォイドから脱出したダニエルと今回の生き残りが叩き潰すとかっていったら、もはや完全に別モノだけど面白そう。