まとめのーと

あれこれ旅行や趣味のことを備忘録も兼ねてのんびり気ままにまとめてみる。

ババドック 〜暗闇の魔物〜 怖い絵本の怖くない映画

ババドック 〜暗闇の魔物〜

総合:82点

怖さ:☆☆☆★★

物語・描写:☆☆★★★

キャスト・演技:☆☆☆☆★

音楽・演出:☆☆☆★★

置いていかれ感:☆☆☆☆☆

トラウマ要素:虫

 

 【ストーリー】

父を交通事故で亡くした母親は、思ったことを何でも口に出し、武器を持ち歩き、思い通りに行かないことがあると奇声を発する息子に手を焼いていた。

ついに学校を退学となってしまった息子はある日、見覚えのない不気味な仕掛け絵本を持ってくる。

絵本にはこう書かれてあった。

「名前を知った者はババドックから逃げられない」

「バ・バ・バ ドック!ドック!ドック! これが来た合図」

 

 

【レビュー】 

結論よく分からない…笑

音楽や鉄板の展開さ、ババドックの動きにはところどころ安っぽいB級感があるけど、映画全体の雰囲気や不気味さはいい感じに作り込まれてる!

特に息子役のノア・ワイズマンと母親役エシー・デイヴィスの演技が素晴らしく、母親の疲労感が強すぎるくらい伝わってくる。(むしろこのどうしようもない疲労感と母親の不憫さを味わう映画と思っていた方が良いかもしれない)

 

そして何より、「顔や正体がわかってしまって怖くなくなってしまう」という非常によくあるパターンになっていない点はすごくよかった。

 

 

ただ、

設定の説明不足・フラグ未回収で観てるこっちは置き去り感。。。

ラストもある程度の謎を残して終わるため、観る人を選びます。

 

にしてもあの「何とも言えない感じの終わり方」 は何ともなぁー…

 

 

「万人ウケ」という点では、大量のゴキブリと、ゴキブリのようにカサカサ動く怪物が出てくるので、虫嫌いな人はご注意を。

 

そしてホラー要素が思ったよりなかったのがすごく残念。

ババドックのメンヘラかまってちゃんのような行動はどうなのか。。。

特徴的なあの合図もイマイチ使われてなかったし、登場人物の心理や行動の変化への描写が少なすぎてラストへの急展開さが映画から鑑賞者を引き離してしまってすごく勿体無い印象。

 

【似てると思った映画】

MAMA

ソムニア

 

 

【ネタバレ考察】

 こんな感じのレビューだけど、解釈の余地がある映画なので僕なりの解釈も「真実を知れば友達になれる〜」みたいな内容を踏まえて書いてみる。観る人による解釈の幅もそこまで大きくないと思うけど笑 

 

 

ババドックは母アメリアの不安とか苛立ちとかの負の感情の表れ。

息子サミュエルのことで悩み始めた母に大きな負の感情が生まれ、それを一番近くで見ているサミュエルは子供ながらにそれを怪物に捉えて絵本に具現化した。

親子の間で作られた怪物は他人に共感されず、普通を望むアメリアは怪物の存在を否定するが悪化。(否定するほど強くなるみたいな設定)

夫の死によって始まったアメリアの負の感情は時に夫の姿となって現れ、絵本が途中で終わっているのは苦しみに終わりが見えなかったから。

息子のことで思い悩む母は、息子をはじめ、愛犬(わんちゃん・・・とばっちり・・・)がいなくなればいいのに(殺したい、かも)と思うと同時に自殺を考え(「死を望むようになる」の予告通り)、絵本にその内容が描かれる。

しかしババドックに立ち向かう中で息子から受ける愛と息子への愛の再認が行われ、結果ババドックを倒すこと(弱める、くらいかな?)に成功する。これが「真実」であり、この時点で「真実を知る」ことになった。

倒れたババドックに近づいたのは、興味か夫への寂しさや未練なのかはわからないけれど、息子には母が再び苦悩に足を踏み入れるように見えて止めようとする。

が、ババドックに触れた母は「真実」を知った状態であったため、立ち入る隙のないとわかったババドック(負の感情)は心の一部にしまわれた。(このシーンはホラー映画的にオチをつけたかったのかもだけど笑)

負の感情を普段の感情と分けること、真実を知った上で心のどこかにしまうことができたアメリアは言い換えれば負の感情を制御し、ババドックと友達になった(言い過ぎ?笑)ことになる。

その後は負の感情に支配された状態から、ようやく本当の世界(チャプターのタイトル)を見ることができるようになったアメリアはサミュエルに「大きくなったらババドックを見せる」と言う。これは大人になった時に苦悩が来ること、それでも向き合うことで幸せを手に入れることを伝えたいのかな。

ミミズのシーンは息子と二人でやっているから、「現実」ではないけどババドックと呻くやってくってことかな。(ミミズなのはババドックの気持ち悪さを損なわないため?なんかもっと比喩的な意味があるのかも)

 

こんな感じかな?

あ、ババドックに憑依されてる時に右下の奥歯を気にしてたり、途中で抜いたりしたのは奥歯とか親知らず(?)になにか比喩的な意味があるのかも・・・?

 

まぁ全体的にはまぁまぁな映画ってことで、気になった方は是非〜!

 

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で、ジャケットの「みぃつけた」ってなに?